山西省四方山話 2

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僻地の
学校

代県には、山西省の中央部を守る長城の重要な関所「雁門関」がある。そこへ行くには、峠を越える新道から外れて川原へ降り、川伝いに登っていかなければならない。両側から岩山が迫ってくると、数百年前から変っていないような村落に入る。すぐに学校があった。よく見ないと分からない平屋の一棟である。教室に入っていくと、突然の外国の訪問客に児童はびっくり。黒く塗った壁が黒板がわり、中年の男の先生が1人、生徒は全員で7人だった。




山羊の道

子供たちと別れて歩く村の一本道は山羊の道、糞だらけであった。初めは避けて歩いていたが、それも出来なくなるほど糞だらけ、開き直るしかなかった。早朝、農家の庭から放された山羊は排便しながら山に登って1日を過ごす。

山羊の道

途中、道端で山羊の毛を刈っている若者がいた。私が写真を撮っていると、いきなり立ち上がって言った。「この山羊とそのカメラを交換してくれ」

雁門関

古い歴史が刻み込まれたような農家の庭先で、子どもが野菜の塩漬けを手伝っていた。