太極拳33年の歴史に幕
太極拳教室の解散に寄せて 富士見市日中友好協会
                               会長 岩本 喜直
1986年の富士見市日中友好協会設立と同時に発足 した太極拳部会が33年の歴史を刻んで解散されまし た。部会の活動の様子は、当協会の機関誌である「こ んにちはニイハオ」創刊号以来、多くの記事が紹介 されています。1994年の第7号機関誌には、埼玉県 からの要請を受けて、両神村(現小鹿野町)のふる さと祭りに出演され、太極拳演技を神怡館前の仮設 舞台で2万人の観客を前にご披露され、太極拳教室 の皆様の日頃の練習の成果をいかんなく発揮された と記されています。 今日まで30有余年、毎週1回の練習に励まれたみ なさまのご努力に心から敬意を払います。太極拳は 体のバランスの鍛練、じんわりと関節を動かし、よ
い姿勢で深い呼吸をし、ゆったりと動くさまは、健 康の維持に相応しいだけでなく、演武を観るものも ゆったりとした気持ちにさせてくれます。 協会の活動の教室が一つ消えることに寂しさを感 じますが、これまでの太極拳教室のみなさまの協会 へのご支援、ご協力に心から感謝と御礼を申し上げ ます。 太極拳の部会としての活動は終止符を打たれて も、有志による幾分フリーな活動は継続されると伺 い、ホッとした気持ちです。太極拳を健康増進のた めに、日常の生活の中に取り込み、活動を続けられ ることを祈念したいと思います。 (「解散式のご挨拶」から)
33年前の1986年、富士見市日中友好協 会太極拳教室のトビラが開かれました。 教室の会場は今ではなくなってしまっ た鶴瀬西小学校の体育館。市民活動のた めの学校施設夜間開放制度を活用しての 太極拳教室でした。立っているだけで汗 がしたたり落ちる真夏も、着ぶくれてダ ルマのような姿で会場に足を運ぶ冷え 切った真冬も、欠かさず毎週1回、会場 を埋めるたくさんの部会員たちが練習を 重ねてきました。 時代とともに練習場所も冷暖房完備の明るい公民 館に移り環境は格段によくなりました。その一方で 時間の経過は過酷な現実も目の前に突きつけます。 コーチたちがその立 場で感じる高齢化の 問題と嫌でも向き合 わざるをえない事と なりました。真剣な 話し合いを重ねた結 果、教室はピリオド を打つことになったのでした。 2019年12月17日(火)、教室の解散式「収勢のつど い」が和やかに行われました。33年の歴史を刻んだ 太極拳教室は、部会員たちに惜しまれつつ静かにそ のトビラが閉じられました。 しかし同時に、多くの部会員の熱意によって、有 志による自主練習の「場」が新たに設けられること が決まりました。これまでと同じ場所、同じ時間帯 で、時折、元コーチが顔を出すという緩やかな約束 のもと、2020年2月、間もなくその新たなトビラが 開きます。希望と期待が膨らみます。 (富士見市日中友好協会会計 中島 利子)