中国山西省 上陽希望小学校開校20周年記念祝賀会に参列
中国の希望工程は,貧困地域の教育条件の改善や未就学児童の復学等を資金的に援助するために展開している非営利社会公益プロジェクトとして1989年に始まったとされる。
埼玉県日中友好協会は,1996年の訪中をきっかけに,失学児童への支援,小学校の建設・寄進のための活動を始めた.
富士見市日中友好協会は,中国の希望工程に協力することを1997年に組織として決定し,資金カンパ,チャリティ活動により資金を得,中国,山西省の人民対外友好協会を通じ,小学校の建設と失学児童への教育支援を行った.失学児童への学資支援は10年間にわたり,山西省呂梁市臨県を中心に,延べ約220人の児童に対して行った.里親里子の形で実施し,一人ひとりが血の通った形の支援活動が特徴であった.
小学校は,山西省忻州市五台県豆村鎮上陽村に建設し,寄進した.当時は,上陽村には窓ガラスは破れ,吹きさらしの校舎しかなく,児童は学用品も乏しく,壊れかけた机,椅子で学んでいた.寄進した建設費により1998年夏から建設工事が始まり,1999年6月1日に開校式を迎えた.小学校は,富士見の名称を冠し,富士見・上陽希望小学校と命名された.
その後,暖房設備の整備,勉強机・椅子やスポーツ器具,文房具類の提供,校庭整備などを行い,小学校の学習環境の改善に努めた.ハードの提供だけでなく,定常的な交流の継続・促進を図るため富士見・上陽希望小学校友の会(以下,友の会)を,1999年6月の開校直後に発足し,ソフト面の活動も並行して行ってきた.2年に1度程度の頻度で学校を訪問し,学習支援を行うとともに児童との交流,行政機関,学校,村民など関係者との密な関係構築に努めてきた.
さて,2019年9月23日に,富士見・上陽希望小学校は開校20周年記念式典が挙行された.富士見市日中友好協会/友の会が中心となり構成された団員17名がこの式典に参加し,祝賀に臨んだ.「熱烈慶祝上陽希望小学建校20周年」と大書された横断幕の下で祝賀式典が行われた.在学児童13名,卒業生代表3名(中学2年生)の生徒の他,児童の家族,山西省の代表者,学校を管轄する忻州市および五台県の各代表者,豆村鎮上陽村の代表者および村人など総勢100数十名の参加による盛大な式典であった.代表者の挨拶,祝辞などの後,姉妹校提携している富士見市ふじみ野小学への上陽小学校児童の共同制作作品や絵画と,ふじみ野小学校5年生による,上陽希望小学校開校20周年記念の作品の交換を行った.また,ふじみ野小学校児童による開校20周年記念メッセージや祝賀の歌のDVDなどを紹介し,また団から児童一人ひとりに20周年記念品を贈呈した.参列している村人との交流も行い,持参した過去の学校建設や在学中の児童の写真を手交し,会話に花が咲いた.
山西省,忻州市や五台県の挨拶,祝辞では,富士見・上陽希望小学校は,日本と中国の友好のシンボルであり,1人でも児童が在籍する限り,小学校の維持・継続に努めること,開校以来営々と続けられてきた,ふじみ野小学校との児童の年賀交換や図画の交換などの作品交流とともに国際理解の交流活動を続けていきたい旨の発言があった.
今後もこの富士見・上陽希望小学校を拠点に地道な草の根の日中友好活動を続けたいと考えている.
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